防災のための部屋づくり|安心して暮らせる住まいの工夫

安心して暮らせる部屋づくり

地震や台風のニュースでは、その地域の避難所の様子も報じられますよね。それを見て「自分は避難所で生活できるのだろうか…」と不安になった経験のある方もいるのではないでしょうか。

もし、避難所での生活に不安を感じるなら、「おうちの中を安全に整える」ことを考えてみませんか?

実は、これも立派な防災のひとつなんです。

今回のテーマは、“防災のための部屋づくり”。
大がかりなリフォームではなく、家具の配置やちょっとした工夫で、暮らしの安心感がぐっと高まります。
毎日過ごす場所だからこそ、無理なく・できるところから始めてみましょう。

 

防災のための部屋づくりとは?

「防災のための部屋づくり」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、要は地震などの災害が起きたときにケガをしにくく、安全に過ごせる空間に整えることです。

家の中の見渡してみましょう。地震の揺れで落ちてきそうなモノや、倒れそうな家具はありませんか?

避難する際、ジャマになりそうな場所にモノを置いていませんか?

ベッドの枕元付近に重いものを置かないようにしたり、タンスが倒れてこないように固定したりするのはもちろんですが、部屋全体を片付けておくことも大切です。

モノで溢れかえった部屋の場合、地震の揺れでいろいろなモノが散乱してケガをしたり、避難経路がふさがれてしまって逃げ遅れたりする可能性があります。

ほんの少しの見直しが命を守る大きな一歩になるので、部屋全体を見渡して危険な場所をチェックしておきましょう。

まずは家具の配置と固定から

大きな地震が来たとき、一番のリスクになるのが「家具の転倒」。

実際に阪神・淡路大震災では犠牲者の9割が即死状態で、ほとんどは家屋の倒壊や家具などの転倒による圧迫死だったといいます。

このような被害を防ぐためにも、とくに背の高いタンス、本棚、食器棚は要注意です。

 

基本のチェックポイント:

  • ベッドのそばに大きな家具がないか?
  • 出入り口をふさぐ場所に家具を置いていないか?
  • タンスや棚は壁に固定してあるか?

【対策例】

    • L字金具で壁と家具を固定する
      L字金具で固定する

 

    • 突っ張り棒で倒れにくくする
      つっぱり棒で固定する

 

  • 家具の下に滑り止めマットを敷く
    滑り止めマット

我が家では東日本大震災の経験を元に、タンスの下に滑り止めマットを敷きました。

どれもホームセンターや100円ショップで手に入るアイテムばかりです。家の中のチェックが終わったら、すぐにでも対処してしまいましょう。

 

窓ガラスや照明の落下対策も忘れずに

揺れで割れたガラスが飛び散ると、思わぬケガにつながります。

以下のような対策がおすすめです:

  • 窓には「ガラス飛散防止フィルム」を貼る
  • 吊り下げ照明は揺れやすいので、しっかり固定するか、軽い素材に変える
  • カーテンを厚手にすると、ガラス片の飛散防止にもなります

 

寝室・リビングの防災アイデア

災害時、家にいる時間が長いのは、やはり寝室やリビング。
ここを安全にしておくことは、とても大切です。

 

寝室の工夫:

  • 懐中電灯を枕元に常備(停電時に安心)
  • スリッパや靴をベッド脇に置いておく(ガラス片から足を守る)
    安全靴を用意するか、踏み抜き防止のインソールを敷いておくと安心です
  • 頭上に棚や額縁を置かない(落下物から頭を守るため)

 

リビングの工夫:

  • 家族が集まる場所なので、避難する際の動線を意識した家具配置に
  • 重たい飾り棚や花瓶は床に近い位置へ
  • ラジオやモバイルバッテリーの保管場所を決めておく

 

トイレ・キッチンの備えも忘れずに

災害時のトイレ問題は意外と深刻です。
キッチンも火の元なので、火災の原因にならないよう、しっかり備えておきましょう。

 

トイレ:

  • 非常用トイレ(袋タイプ)をストック
  • 収納場所をわかりやすくしておく

 

キッチン:

  • 食器棚に耐震ロックをつける
  • ガラス製品は下の段へ
  • ガスコンロの転倒防止器具もチェック

 

もしものための備蓄と収納術

防災グッズは「あるけど出しにくい」と、いざというとき役に立ちません。
取り出しやすい場所にまとめておくのがおすすめです。

 

備えておきたいもの:

  • 飲料水(1人1日3リットル×3日分が目安)
  • 長期保存食・缶詰
  • 懐中電灯・乾電池
  • モバイルバッテリー・ラジオ
  • 簡易トイレ・ウェットティッシュ

東京備蓄ナビでは、家族の性別や年代、人数を入力するだけで、必要な備蓄量を調べられます。

なお、備蓄品は収納ボックスにまとめ、すぐに取り出せる場所に置きましょう。
リビングや寝室の「ここにある」と家族で決めておくと安心です。

 

まとめ:無理なく“ちょっとずつ”が、いちばんの防災

防災というと大変そうに思えますが、毎日の暮らしの中で、できるところから少しずつやっていくのが、いちばんの近道です。

今日からできることはたくさんあります。例えば、寝室に懐中電灯を置くこと。
タンスの上の重たい荷物を下ろすこと。それだけでも、命を守る行動につながります。

「防災=暮らしを整えること」だと思えば、きっと前向きに取り組めるはずです。
安心して暮らすため、“防災のための部屋づくり”を、一緒に始めてみませんか?

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