地震や台風、大雨など、災害が起きたとき「どこに避難すればいいの?」と迷ってしまいそう…そんな不安を感じたことはありませんか?
実は、避難場所にはいくつか種類があり、それぞれ役割や目的が違います。
この記事では、「避難場所の種類と違い」についてわかりやすくご紹介します。事前に知っておけば、いざというとき慌てずに行動できますよ。
避難場所の種類とその違いとは?
避難場所の種類は3つに分けられます。それぞれの違いについて紹介しますね。
1. 指定緊急避難場所(していきんきゅうひなんばしょ)
目的:命を守ることが最優先
例:学校の校庭、公園、広い空き地など
いつ使う?:大雨や土砂崩れの危険が迫っているとき、まず一時的に避難する場所です。
ポイント:建物ではないこともあるため、長時間の滞在には不向きです。
2. 指定避難所(していひなんじょ)
目的:避難生活を送るための施設
例:学校の体育館、公民館、地域センターなど
いつ使う?:自宅が被害を受けて住めなくなったときなど、一定期間生活を送るための場所です。
ポイント:食料や毛布など最低限の備蓄がある場合もあります。
3. 福祉避難所(ふくしひなんじょ)
目的:高齢者や障害のある方など、特別な配慮が必要な人のための避難所
例:福祉施設、介護施設の一部など
いつ使う?:指定避難所では不安がある場合や、介助が必要なとき
ポイント:基本的には、市町村からの指示や判断を経て移動する場所で、直接の避難は原則としてできません。
<福祉避難所を利用するまでの流れ>
- 一時避難所(指定避難所)に避難する:
まずは、住んでいる地域の指定避難所(小学校、公民館など)に避難する。
- 福祉避難所の必要性を伝える:
避難所生活で特別な配慮が必要な場合、市の職員や福祉関係者にその旨を伝える。
- 福祉避難所への移動:
市の判断で福祉避難所への移動が必要と判断された場合、移動のサポートを受けられる。
- 福祉避難所での生活:
福祉避難所では、介護や医療ケアが必要な方でも安心して生活できるよう、必要な支援が提供される。
<福祉避難所の利用対象者>
- 高齢者
- 障害者
- 妊産婦
- 乳幼児
- 病弱者
- その他、避難生活で特別な配慮が必要な方
ただし、受け入れ人数には限りがあるため、必要性の高い方を優先することがあります。
災害の種類によって避難場所が決まっていることもある
自治体によっては、災害の種類によって避難場所が決まっているところがあります。これは、「災害の特性に応じて、もっとも安全な避難場所が異なる」ためです。
地震のとき
指定避難所(学校、公民館など建物)
→ 倒壊の恐れが少なく、建物の中で生活できる場所が使われます。
⚠ただし、地震直後に津波の危険がある場合は、まず高台などへの避難が最優先です。
津波のとき
津波避難場所(高台、ビルの高層階など)
→ 短時間で到達する津波から命を守るため、とにかく高い場所へ逃げることが最優先です。
⚠避難所(校舎など)は海抜が低い場所にあることも多いため、津波避難には不適な場合があります。東日本大震災では、津波避難場所ではない所に避難したため、犠牲になった方もいます。
大雨・洪水・土砂災害のとき
指定緊急避難場所(公園、校庭、体育館など)
→ 洪水・土砂災害の影響を受けにくい場所に設定されていることが多いです。
⚠低地にある避難所は、洪水時にはかえって危険な場合もあるため、事前に「浸水想定区域にあるかどうか」を確認しておくことが大切です。
火災・大規模火災のとき
広域避難場所(大きな公園、広場など)
→ 火の手を避けるために屋外の広い場所に避難します。これは主に都市部の火災時に使われる避難形態です。
各市町村が発行している「ハザードマップ」や「防災マップ」には、災害ごとに推奨される避難場所が色分けされている場合があります。
自分の住んでいる地域がどのような災害リスクを持っているのか、そしてどの災害時にどこへ避難するのが安全かを、事前に確認しておきましょう。
避難先の選び方のコツ
避難先はどのように選べばよいのでしょうか。ここでは、選び方のコツを紹介します。
事前にハザードマップで確認
お住まいの地域で、どこがどの種類の避難場所に指定されているかを自治体のハザードマップで確認しておきましょう。
家族で集合場所を決めておく
「まずはどこへ逃げるか」「落ち合う場所はどこか」を話し合っておくと安心です。
必要なら福祉避難所への相談を
高齢のご家族がいる場合や、自分自身が介助を必要とする場合は、事前に自治体の福祉課などへ相談しておくことも大切です。
まとめ:災害に応じた避難先を事前にチェック
「避難場所」とひと口に言っても、その種類や目的はさまざま。
命を守るための「指定緊急避難場所」、避難生活の場である「指定避難所」、特別な配慮が必要な方のための「福祉避難所」など、これらを知っておくことが、災害時の不安をぐっと減らしてくれます。
今一度、ご自身の地域の避難場所を確認し、どのような状況でどこに避難するべきかを家族で話し合ってみてくださいね。
なお、この記事で紹介した内容は、各自治体によって異なる場合があります。詳しくはお住まいの自治体の防災担当窓口やホームページをご確認ください。