地震や台風などの災害が起きたとき、「何を持って避難すればいいの?」と不安に感じたことはありませんか?
実は、避難の状況に応じて必要な持ち物は異なります。今回は、災害時の「備え」に注目して、持ち物の違いと準備のポイントをわかりやすく紹介します。
備えは3段階で考える
災害への備えは、次のように3段階で考えると整理しやすくなります。
- 1次の備え:災害発生時に持って避難する非常持ち出し袋
- 2次の備え:避難所や自宅での長期避難生活に備えた防災リュックや備蓄品
- 0次の備え:常に携帯する最低限の持ち物(防災ポーチ)
それぞれの内容と役割を確認していきましょう。
【1次の備え】避難時に持ち出す「非常持ち出し袋」
突然の地震や火災など、「今すぐ逃げなければならない!」という状況では、財布も持てないかもしれません。
そのようなとき、すぐに持って逃げられるように用意しておく「非常持ち出し袋」が1次の備えです。「これがあれば1日過ごせる」というのを基準に用意しましょう。
<非常持ち出し袋に入れておきたいもの>
- 笛
- 小型ライト
- 飲料水(500ml × 1本)
- 食料(栄養補助食品、ビスケットなど)
- 携帯ラジオ
- 簡易トイレ(最低3回分)
- タオル・下着・マスク・除菌シート
- 軍手・雨具・アルミブランケット
- 筆記用具・家族写真・身分証のコピー
- 常備薬・お薬手帳
※目安重量は背負った状態で走れる程度。両手が使えるようリュック型がおすすめです。
【2次の備え】避難生活を支える「防災リュック・家庭内備蓄」
避難所や自宅での長期的な避難生活に備えて、十分な物資を蓄えておくのが「2次の備え」です。ライフラインが止まった状態でも3日間~1週間程度は生活できる備えが必要です。
<防災リュックや家庭内備蓄に含めたいもの>
- 飲料水(1人1日3L × 7日分)
- 食料(ごはんパック、レトルト、缶詰、乾パンなど)
- カセットコンロとガスボンベ(3~5本)
- 簡易トイレ(1人1日5回目安 × 日数分)
- ティッシュ・ウェットティッシュ・消毒液
- 衣類・毛布・タオル・使い捨てカイロ
- 家族構成に合わせた備品(介護用品、乳幼児用品など)
※「ローリングストック法」で、日常使いしながら備蓄を維持しましょう。
※防災リュックは3日間は生活できる備えを入れ、5kg以内に収めるようにします。
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【0次の備え】日常的に持ち歩く「防災ポーチ」
通勤途中やショッピングに出かけたときなど、外出中に地震や火災などの災害が発生するかもしれません。そのようなときは、一時的に避難する必要があります。
そうした外出中の災害時に役立つのが、日常的に持ち歩く0次(ゼロジ)の備え、「防災ポーチ」です。
<防災ポーチに入れておきたいもの>
- 笛(救助を呼ぶため)
- 小型ライト
- モバイルバッテリー
- 携帯用トイレ
- 簡易救急セット(絆創膏や常備薬など)
- マスク・除菌シート・ティッシュ
- 非常食(飴やシリアルバーなど、すぐに食べられるもの)
- 小銭・1,000円札などの現金(電子決済が使えないことも)
- ビニール袋
- アルミブランケット
※ポイント:普段使いのバッグの中にセットして持ち歩きましょう。重さの目安は300g以内です。
状況別持ち物チェックリスト
どの段階で、どんな持ち物が必要になるのか、表にまとめました。
持ち物 | 0次の備え(携帯) | 1次の備え
(非常持ち出し) |
2次の備え
(長期避難) |
携帯電話+充電器 | ✔ | ✔ | ✔ |
現金 | ✔ | ✔ | ✔ |
飲料水 | 小容量(500ml) | ✔(数本) | ✔(7日分) |
非常食 | 軽食(飴など) | ✔ | ✔ |
常備薬 | ✔ | ✔ | ✔ |
トイレ用品 | ✔
(簡易トイレ1回分) |
✔
(簡易トイレ3回分) |
✔
(多めに) |
ラジオ・ライト | (小型ライト) | ✔ | ✔ |
衣類・毛布など | ー | ✔(1日分) | ✔(数日分) |
身分証・緊急連絡先 | ✔ | ✔ | ✔ |
まとめ:自分に合った備えを見直しておこう
非常持ち出し袋だけでは、すべての状況に対応できません。災害への備えは「0次・1次・2次」の3段階で考えることが大切です。
また、避難所で過ごすのか、在宅避難をするのかでも必要なものは異なります。ご自身の体力や家族構成、住んでいる地域の災害リスクに応じて、「わが家に必要な持ち物」を今一度チェックしてみてください。
避難する場所には違いがあるって知ってました?