避難所の役割とは?50代・60代が備えておきたい避難のポイント

避難所の役割

災害が発生した時に避難所と聞くと、「とりあえず逃げ込む場所」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?

 

でも実は、避難所には「命を守る」ためだけでなく、「生活を立て直す」ための大切な役割もあるのです。

 

今回は、避難所の基本的な役割や運営の仕組み、そして私たちができる準備について、わかりやすくご紹介します。

 

 

避難所のおもな役割

避難所の役割は、大きく分けて以下の3つです。

 

1.命を守るための一時的な避難場所

地震や大雨などの災害が起きたとき、まずは安全な場所へ避難することが最優先。その際の「一時避難場所」として機能します。倒壊の恐れがない公共施設(学校や公民館など)が指定されていることが多いです。

 

2.被災者の生活を支える場

災害が長引くと、自宅に戻れない人が増えてきます。避難所は、そうした方々の「一時的な生活の場」となり、水や食料、毛布など最低限の生活物資が提供されます。

 

3.情報を得る・届ける拠点

避難所では、自治体や行政からの最新の情報(余震、気象、支援情報など)を受け取ることができます。反対に、安否確認や支援要請を届ける「情報発信の場」としても重要です。

 

 

避難所は誰が運営しているの?

避難所の運営は、自治体の職員だけでなく、地域の住民やボランティアと協力して行われます。特に大規模な災害時には、すぐに人手が足りなくなります。

 

「自分たちは被災者だから、誰かが助けてくれるはず」と思うかもしれませんが、避難所にいる全員が被災者です。お互いが協力しなければ、避難所を運営することはできません。

 

そのため、住民同士が助け合いながら運営する「自主運営型避難所」も増えています。炊き出し、トイレの清掃、物資の仕分けなど、それぞれができることを分担して支え合うことが求められます。

 

避難所運営のマニュアルがあるのは約半数

いざ避難所を運営するとなったとき一番困るのは、「どのように運営するのかわからない」ということです。

 

令和元年(2019年)、内閣府が発表した「避難所の役割についての調査検討報告書」によれば、「内閣府は市町村に対し、マニュアルの作成、訓練等を通じて、必要な知識等の普及に努めることを促している」と記載されています。

 

では、実施にどれくらいの市町村がマニュアルを作成しているのかというと、作成済みは全体の50.2%、作成中が15.1%、作成を検討中が22.5%、作成していないが12.2%です。

 

自分が住んでいる市町村ではマニュアルがあるのかどうか、確認しておくことも必要になりますね。

 

出典:避難所の役割についての調査検討報告書(令和元年)|内閣府(防災担当)

 

 

私たちが今からできる準備とは?

避難が必要になった場合のことを考えて、今から準備できることもあります。

 

・自分の地域の指定避難所を確認しておく

・非常持ち出し袋を準備しておく(薬や身分証も忘れずに)

・もしもの場合どこに行くのか、どうやって連絡をとるのか、家族で避難の流れを話し合っておく

・いざというとき、避難所で役に立てることを考えてみる(例えば手伝いができることは?)

 

自分も避難所を運営するメンバーの一人なのだという意識が大切です。

 

【避難所を知るためのチェックリスト】

チェック項目 内容
□ 自宅の最寄りの避難所を知っている ハザードマップなどで確認しましたか?
□ 家族と避難先や集合場所を決めている 家族で話し合い、連絡手段も共有済みですか?
□ 持ち出し袋の準備をしている 最低限の水・食料・常備薬・保険証のコピーなど入っていますか?
□ ご近所や地域の人とのつながりがある 助け合える人間関係を築いていますか?
□ 避難所で手伝えることを考えている 高齢者や子どもへの配慮、清掃、情報共有など想定していますか?

 

 

50代・60代だからこそ意識したい!避難のポイント

体力や持病、不安を抱えるこの世代にとっては、避難所生活に向けた特有の準備が必要です。以下のような点を意識しておくと安心です。

 

健康に配慮した持ち物を準備

常用薬・お薬手帳・保険証のコピー

 

衛生用品

眼鏡・マスク・歯ブラシ・ウェットティッシュなど

 

簡単に食べられるもの

レトルトのおかゆ、ゼリーなど

 

暮らしの延長として備える

・冷え対策にカーディガンや靴下を1組

・アイマスク・耳栓などの安眠グッズ

・タオルやスリッパなど、日常使いのものも重宝します

 

「誰かのためにできること」も考えておく

前章でも述べた通り、避難所は地域の人たちと支え合う場所でもあります。炊き出しの手伝いや情報掲示のお手伝いなど、自分にできることを少しでも用意しておくと、心の余裕にもつながります。

 

まとめ:避難所の役割は「命と暮らしを守る場所

避難所は単なる「逃げ場」ではなく、地域みんなで命と暮らしを守る場所です。普段からその役割や運営の仕組みを知っておくことで、いざというときに落ち着いて行動できます。

 

また、避難所は地域住民が協力して運営するものであるという意識を持ち、自分にできることはないかと考えることも重要です。

 

災害時には、小さな備えが大きな安心につながります。ぜひ一度、お住まいの地域の避難所について調べてみてくださいね。

 

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